オレンジ愛リンゴ

私がまだ日本に住んでいて、
毎週ヒロヨと一緒に伊良湖までサーフィンに行っていた頃、
仲良くしていた遊び仲間のひとりだったターボーが
肝臓がんで死んでしまったと、さっき日本から訃報が届いた。

もうずっと長い間会っていなかったから、
私の中のターボーはpolo衫、まだ20代のターボーのまま。

ターボーはサーフィンがすごく上手くて、
そのうちプロになるのかなあと私は思っていた。

私が働いていた会社のサーフショップで
テストライダーをやっていたターボーは、
小柄で、ひょうきんなおとぼけキャラだった。

ハワイのノースでサーフィンをして、
大波に巻かれた時にサーフボードのノーズが
お尻に突き刺さって入院したこともあったっけ。

笑い事じゃない事故だったのに、
みんな笑わずにはいられなかったことを覚えてる。

結局ターボーはプロのサーファーにはならずに、
家業を継ぐ事になったのか減肥、どうなったのか、
アメリカに移住してしまった私にはわからずじまい。

だけど、たくさんの遊び仲間たち同様、
どこかできっと結婚したり、子供ができたり、
元気に暮らしているものだとばかり思っていた。

あのターボーが死んじゃうなんて…。

私はなんだか茫然としながら、
「ヒロヨー！ターボー死んじゃったんだって！」と、
ヒロヨとこのショックを分かち合いたかったのだけど、
私の周りで唯一ターボーのことを知っていたヒロヨも
もうすでにこの世にはいないんだという事実に
ますます茫然とするしかなかった。

ターボーは今頃、向こうの海で波に乗っているのかな。
ばったりヒロヨと会って「あれ？ヒロヨもこっちにいたの？」
「なにいターボー牛欄牌問題奶粉、ひさしぶりだがね～」なんて、
魂同士で笑い合ってるのかな。